子どもが勉強に集中して取り組むためには、体調を崩さないことが第一です。入試本番に向けて、親はどんな点に気を配ればよいのでしょうか?
○手洗い
石けんをよく泡立てて指の間や爪まで、しっかり丁寧に洗うのがポイントです。インフルエンザだけでなく、ほかのウイルスや菌も予防してくれます。
○うがい
主な目的はウイルスを落とすよりも、咽頭(口と食道の中間)についたホコリなどを落として気道をきれいにすること。うがい薬も有効ですが、水だけでも問題ありません。
○マスク
市販のマスクの場合、値段の高低でウイルス予防率に大きな差はありません。それよりも、マスクをピッタリと顔に当て、隙間ができないようにすることが大切です。
インフルエンザの時期と重なる受験期。
どんな予防を心がけたらよいか、小児科医の中野康信先生に伺いました。
「インフルエンザは通年通り、年末年始あたりから増えるでしょう。遅くとも12月までに家族全員でワクチンを受け、予防に努めてください」
★受験シーズンは、ノロウイルスや花粉症が出始める時期でもあり、手洗い、うがい、マスクの習慣を家族で徹底する必要があります。
★「特に幼児は風邪をひきやすいので、兄弟・姉妹の体調にも気を配ってほしいですね。今はベビー用のマスクもあるので、下の子がくしゃみや鼻水を出し始めたら、すぐ着用させましょう。」
★ただ、親がどんなに注意していても、子どもが熱を出してしまうケースも。
「私のクリニックにも毎年、入試前日に来院する親子がいます。しかし、そういった場合でも、大半の子どもは入試を乗り切っているので心配し過ぎないように。受験直前に何かあった場合は市販薬で様子を見るよりも、すぐに受診を。そのためにも、かかりつけ医を日頃から決めておくと安心です」
★健康を維持するためには、規則正しい生活やバランスのよい食事もポイントのひとつですが、中野先生は「できる限り普段の生活のまま本番に突入した方がいい」とアドバイスします。
「睡眠や食事の習慣を直前に変えない方が、子どもが安定した気持ちで試験を受けられるでしょう」
★子どもの不安が募る直前期は、メンタル面のサポートが体調面にも大きなプラス効果をもたらします。
★「ゲンかつぎにカツ丼を出す、保湿剤を塗るなどのサポートを通して、『あなたなら大丈夫』という自信を伝えてみてはどうでしょうか?受験生の心に勇気が生まれ、心身ともに万全の状態で本番を迎えられると思います」