「新テスト」忌避か 大学附属校人気の理由

 

 今年の首都圏の中学受験率は15.12%(首都圏模試センター調べ)。リーマン・ショック以降落ち込んでいた受験率はここ数年増加傾向にある。特に大学付属、共学校に勢いがある。

 今年の注目校は理系大付属の2校。芝浦工業大学附属は、東京都板橋区坂下から大学のある江東区豊洲にキャンパスを移転し、新校舎を設立した。校名を「芝浦工業大学中学高校」から「芝浦工業大学附属中学高校」に変えて大学付属色を強調。さらに入試教科を国算理社から国算理に変更し、理系重視を鮮明にした。大坪隆明校長は次のように話す。

「本校の特徴は大学と連携した理系教育・ものづくり教育。大学に近くなったことで、より連携を深めていきたい」

 東邦大学付属東邦は昨年まで行っていた高校入試を停止し、その定員を中学の推薦(専願)入試に振り分けた。募集30人に対して638人と、20倍以上の志願者を集めた。

●保護者が教育を支持

 ここ数年好調の大学付属は、今年も人気。サピックス小学部教育情報センター・広野雅明本部長は次のように話す。

「保護者が付属の教育を評価しているからです。受験勉強にとらわれず教養教育やICT教育に力を入れている。大学間の競争も厳しくなり、学園全体で連携を強化していこうと、大学が付属中高に力を入れるようになりました」

 昨年に続き21世紀型教育を標榜する学校も堅調だ。首都圏模試センター教務情報部・北一成部長は言う。

「受験生の保護者世代は海外勤務の経験も多く、グローバル教育の必要性を実感しています。そんな保護者に支持されました」

●進む入試の多様化

 広尾学園は躍進し、ほとんどの入試回で志願者が増加して合計で4千人を超えた。三田国際学園、かえつ有明、開智日本橋学園も志願者を伸ばした。

 男子進学校は、前年度の大学合格実績が人気に反映される。2016年に東大合格者が増えた栄光学園、逗子開成、桐朋、麻布などで志願者が増加した。

 

 

近年、特色入試が増えている。公立中高一貫校の適性検査型から、独自問題で思考力や記述力を測る学校が増加。前出の北部長は言う。

「中学受験は、数年間塾に通って準備するスタイル一辺倒でなくなった。従来型と、短い期間だけ塾に通ったり通塾をせずに特色入試で勝負したりするタイプに二極化しています。また入試自体も、4科から2科4科選択や得意科目選択など、軽量化の方向へ進んでいます」

 英語入試は千葉の人気校、市川が導入して注目された。帰国子女の人数枠を広げる学校も増えており、入試のグローバル化が加速している。

 公立中高一貫校は市立横浜サイエンスフロンティア高校附属が開設し、8.2倍の競争率をあげた。同校は09年の高校開校当初から人気が高く、文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」にも指定されている。

 関西の注目は、男子校から共学になる高槻。関西の教育事情に詳しい株式会社ユーデック(大阪)企画本部長・植田実さんは言う。

「大阪府北部には女子の上位層がめざす共学校が少ない。高槻は大阪医科薬科大学の傘下にあり、理系志向の女子が受験しました。男女で合格最低点の差が30点開くなど、女子の優秀さが際立っています」

 特色入試を行っている学校は少ないなか、西大和学園が「21世紀型特色入試」を導入。学習・文化芸術・社会活動において秀でた成績を上げた者とされ、京都大学の特色入試と類似しており意識下にあることがうかがえる。

 受験生の動向を、北部長は次のように話す。

「最近の親はITスキルが高く、偏差値一辺倒でなく教育内容も子細に調べています。Web出願ができるようになり、締め切りギリギリに出願する家庭が増えてきました」

 多様化する入試。変化の激しい時代だからこそ、学校はしっかりと自分の目で見て選びたい。(ライター・柿崎明子)

※AERA 2017年3月6日号

中学受験 偏差値
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