私立小中高一貫校出身者しか分からない悩み?エリート揃いの友人格差に耐えられない商社マンの葛藤

 

東京には、上には上がいる。

地方で羨望の眼差しを向けられる年収1,000万円プレイヤーかて、東京ではさほど珍しいものではなく、「都心で優雅に暮らすには世帯年収2,000万円はないと。」とこぼす、東京婚活女子も少なくない。


とはいえ、十分な稼ぎに、素敵な家庭と子供。客観的に見れば、十分恵まれた生活。これ以上、何を望むものがあるだろうか?

だが、彼らの得体の知れない渇きが満たされることは、決してない。

そんな日本の同年代で上位3%には入るであろう男たちの、東京生活での悲哀に焦点を当てる。

これまでにITバブル時代の破片である年収1,000万円の修二、堕ちゆく給料の恐怖に耐えられない外銀トレーダー晴彦、常に追われる飲食経営者の幹久、医者の夫の年収に満足できない恭子を紹介した。

今週は?

私立小中高一貫校出身者しか分からない悩み?エリート揃いの友人格差に耐えられない商社マンの葛藤

(写真:東京カレンダー)

名前:賢治
年齢:36歳
職業:総合商社
年収:1,300万円

 

世界を股にかけた大仕事に憧れて

賢治の仕事は商社の中でも多忙を極める部署にいる。商社と言うと日系企業では花形と言われるほど人気だが、仕事量と給料が見合っていないと感じている。

賢治の父親は某メガバンクの副社長。東京生まれの目白育ちで、暁星小学校・中学・高校に通っていた。大学はストレートで慶應大学に進学。生まれ育った環境も含めて、学生時代の友人は皆裕福でエリート揃いだ。

「実は就職活動の際、大手の外資系の銀行も受けて受かっていんです。でもその時は何故か日系企業に惹かれて...結局今の商社に入社することを決めました。」

新卒3年目位までは忙しすぎて周りのことなど見えていなかった。仕事にもやりがいを感じており、世界を股にかけ、大きな事業に携わっている自分を誇りに思っていた。

しかし最近、暁星の友達や大学時代の友人に合うと、自分との給料差に愕然とする。外資系のコンサル会社や投資銀行に勤める友人達との経済格差が酷過ぎて、急に惨めな気持ちになりだしたと言う。

良すぎる育ちが邪魔をする

「商社の同期に言っても分かってもらえない悩みなのかもしれません。彼らの中には上を知らない人達もおり、今の環境と給料に大満足らしいので。」

賢治の昔からの友人は元々裕福な家庭で育った人が多く、所謂お坊っちゃま系が多い。 カッコイイ遊びは京都の祇園にあるお茶屋さんで遊ぶこと。20歳の時から既にそれを体験していた。 学生時代は皆一緒に楽しく遊んでいたが、大人になった今、周りとの経済格差が浮き彫りになっている。

「外資系に勤めていたり、親の会社を継いでいる友人達は自分の何倍もの稼ぎがある。何でそっちに行かなかったのか、悔しいというより情けなさが勝っています。」

もし学生時代からの友人の交流や、育ってきたような世界を知らなければ“商社マン”で一生幸せに暮らせただろう。しかし賢治は既に上の世界を知ってしまっているため、自分の今の現状が苦しいと言う。

 

学生時代の友人の集まりの度に

周りの友人の賢治に対する態度は勿論何も変わらない。賢治も一見変わってないように見せてはいるが、学生時代の集まりで飲む時のお会計の金額に毎回恐れている。 彼らの生活・給料レベルに合わせていると自分の身が持たない。しかし一人だけ払えないのも格好悪いため、何も言えずにいる。

会社でも友人でも、皆結婚して子供がいて幸せそうだが、子供のお受験の話になる度にドキリとする。総じて、皆母校に子供を入れたがるが、今の給料で同じように自分の子供も入れてあげられるのかも分からない。

商社の同期側と比較すると幸せ度数は高い。しかし昔からの育ちが良い集団の中で考えると、賢治の幸せ度数は途端に低くなる。自分だけ、取り残されてしまった感覚を覚える。

そんな思いもあり、現在36歳だがまだ子供は作っていない。

独立も転職もできない状況で

商社の仕事はある意味個人商店のような仕事でもある。若い内からプロジェクトを任されやすく、そして規模も大きい。個人で独立しても同じような仕事ができるのではないか、という錯覚を覚えることもある。

しかし実際には大手総合商社ならではのブランド力と資金力のお陰のため、個人で独立して大成功を収めた人の話を周りではあまり聞かない。だったら、今のまま社員で安泰な方が良いと思い、身動きが取れずにいる。

「現在の年収は1,300万円ほどありますが、ここから3,000万円になる可能性は限りなくゼロに近いですよね。適度な位置にはいるけれど、物凄く飛び抜けることもない、何とも言えない微妙な立ち位置なのが商社なんです。」

日系の会社ならではの安心感があり、感謝はしてしていますが、と賢治は付け加えた。

私立小中高一貫校出身者しか分からない悩み?エリート揃いの友人格差に耐えられない商社マンの葛藤

(写真:東京カレンダー)

 

見えないゴール

同期の中では何となく課長になれればいい、くらいに思っている人もいるが、賢治は商社で課長になった先の幸せ像を思い浮かべることができず、どこを目指していいのか分からずにいる。

現状に甘んじて、今の自分に納得できればいい。

しかし納得できない自分がいる。学生時代の友人達と開いていく一方の経済格差。年収が1,000万円を超えても今の会社にいる限り、彼らには永遠に追いつけないことを知っている。他へ転職する事も考えたが、どこに行けば良いのかも分からない。気がつけば30代後半になっており、他へ行けるのかも分からない。

「正直に言うと、上京してゼロから頑張れる人が今は羨ましいです。彼らは大人になって、上京してからがスタートですもんね 。小学校から一緒のメンバーが近くにいると、そこから既に物語は始まるんです。 昔は一緒に机を並べていたのに、今は自分だけ居残り勉強しているような気分になります。 」

元々東京で生まれ育ち、幼い頃から知っているメンバー、しかもエリート揃いの友人関係が賢治には既にある。その中で日々開いていく差を感じながら生きるのは過酷だと言う。

見えないゴールを目指してもがきながら、良い環境で育ったが故の悩みを抱えながら、賢治は向かう先も分からず日々過ごしている。

 

東京カレンダー 9月4日(日)

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