世界の優れた教師に贈られる「グローバル・ティーチャー賞」のトップ10に、工学院大付属中学校(八王子市中野町)の英語教諭、高橋一也さん(36)がこのほど選ばれた。高橋さんは23日、八王子市役所を訪れ、石森孝志市長に取り組みなどを説明した。
同賞は英国の非営利組織「バーキー財団」が主催。昨年から始まり、今年は148カ国約8千人の応募の中からトップ10が2月に発表された。高橋さんは組み立て玩具「レゴ」を使って生徒の創造力を伸ばす教育や、付属高の生徒を海外に連れて行き、現地の起業家らと連携してゴミ問題を解決する教育などに取り組んでいることが評価された。
3月の最終選考で惜しくもグランプリは逃したが、高橋さんは「学校全体に学ぶ環境がないと、アクティブな学びは起こらない」。昨春、同付属中の教諭になり、今春から教頭に。校内では廊下にホワイトボードを設置するなど、学校全体を学びの場に変える取り組みを進めているという。「机上の勉強だけでは、世界で通じる実力は身につかない。世界の様々な課題を解決できる力と、それをやり切る志を持つ人材を育てたい」と語った。
石森市長は「高橋先生の話を聞きたがっている先生は大勢いると思う」などと話した。(川見能人)
朝日新聞 2016.5.24