日本の大学ではなく海外の超エリート大学を目指す

 

 

 

日本の大学ではなく海外の超エリート大学を目指す

ハーバードの入学者は毎年約1600人だが、全世界から約3万人が応募する。アメリカ人以外の合格率は1%という超難関

 

 

【関口一喜 イチ押し週刊誌】

 「過去3年間で海外大学進学についての問い合わせは、ほぼ倍増しています」と、ハーバードをはじめとする海外トップ大学への進学を支援する塾の担当者は話す。『週刊新潮』(5月5・12日号)で育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が「東大を頂点とする日本の学歴ヒエラルキーが変化し始めている」とリポートしている。


 いわゆる留学ではない。日本の大学には目もくれず、初めから海外の超エリート大学を目指すのだ。プロ野球でいえば、高校球児がいきなりアメリカ大リーグの入団テストを受けるようなことであろう。こうした傾向が強まった理由に東大の凋落(ちょうらく)がある。世界大学ランキングで東大はほぼ20位台だったが、2015年度は43位に低落、世界には東大より「良い」大学がたくさんあるという認識が広がった。将来、世界を相手に活躍するためには、東大卒業という学歴では通用しないと考える受験生や親が増えたのである。


 もちろんハードルは極めて高い。ハーバードの入学者は毎年約1600人だが、そこに全世界から約3万人が応募する。しかもアメリカ人以外の合格率は1%という超難関である。どういう人たちが合格しているのか。「アメリカの大学入試はホーリスティック(全人格的)といわれます。学校の成績やSAT(アメリカの大学を受験するときに求められる学力評価テスト)のスコアが一定水準を満たしたうえで、最終的に合否を決めるのは『訴えかける何か』をもっているかどうかです」と海外大学進学に積極的な高校の進路指導担当教諭は説明している。同じような成績なら、異なるバックグラウンドを持つ受験生を合格させようとする傾向があり『純ジャパ』(帰国子女ではない純粋ジャパニーズの略)はアピール度が高いと考えられている。


 入学してからもまた大変だ。アメリカのイェール大学に進学した落語家の立川志の春さんはこう振り返っている。「4年間は挫折の連続でした。こんなすごいやつらが世界にいるのかという……。学問も文系理系の二刀流で、芸術にも才能があったり、5、6カ国語を話せたり。なんでこんなところに来ちゃったんだろうと思いました」


 さぞかし学費もかかるのだろうと、他人事ながら心配になるが、奨学金制度がとても充実している。「アメリカのトップ大学は、保護者の世帯収入に応じて学費や生活費を補助してくれる場合が多い」(おおたとしまさ氏)という。たとえば、ハーバードの年間授業料は4万3280ドル(約483万円)、教材費や生活費も含めると1年に7万ドル(約782万円)前後かかる。しかし、世帯年収が6万5000ドル(約726万円)以下の学生はそれらが無償となり、返還の義務もない。


 このリポートで印象的なのは、アメリカの大学では学生の選択の幅が広く、自由闊達(かったつ)さをなによりも大切にしていることである。「1年時に専攻を特定しない。そもそも『学部』という概念がなく『専攻』は2年生以降、学生が自由に選び『宣言』する。(略)途中で変更することも自由なのだ」(おおたとしまさ氏)


 日本の大学が世界のトップレベルの大学ともっとも違うのは、この自主・自立の心構えが学生にも大学当局にも乏しいことではないだろうか。

(文 コラムニスト.・関口一喜 / 朝日新聞デジタル「&M」)

 

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