かつての「六大学」は消えた。今は学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政を、その頭文字を取って、“GMARCH(ジーマーチ)”と呼びならわすのが受験界の常識だ。本誌では首都圏入試の台風の目、「新六大学」を徹底比較し、特徴や出身者など、それぞれの「本学の一番」を探った。女子に関する四つのランキングをひもといてみると、意外なことがわかった。
まず、「女子学生の比率」。トップの立教大は半数以上が女子。続く学習院大、青山学院大もほぼ半数を女子が占める。
明治大、法政大は女子はあまり多くない。それでも90年代まではバンカラのイメージから女子率が2割台だった両大学だが、キャンパス整備や学部創設などさまざまな改革も背景に、華やかなイメージに変わりつつある。
女子学生の比率と連動しているのが、「女性ファッション誌の読者モデル登場回数」。
トップは青山学院大、2位が立教大、3位が学習院大で、女子率のトップ3がランクインしている。特に青山学院大は、2位の立教大に大差の圧勝。強さの秘密について、教育ジャーナリストで『大学ランキング』編集統括の小林哲夫さんはこう解説する。
「同大は青山キャンパス内に付属校があり、中高生の頃から大学生のオシャレなファッションを見て、目が肥え洗練されます。青山という立地も大きいですね」
「女性アナウンサーの輩出数」では、青山学院大と法政大が同数のトップ、立教大が1人差の3位と、3大学が抜けている。
立教大や青山学院大の放送研究会(部)はアナウンサー志望の学生に人気がある。また、法政大の自主マスコミ講座は、マスコミを志望する学生対象のゼミ形式の授業で、七つのコースのなかに、アナウンサーコースがある。ある女子学生は、
「アナウンサーを目指して、法政大学に入りました」
と明かす。この講座ではOB・OGの現役アナウンサーから直接指導を受けられるため、特に学生の人気が高い。
女子率が高い大学の出身者には、華やかさはもちろん、ビジネス分野でも優れた女性が多い。「女性の社長(社員10人以上)の輩出数」では、女子率3位の青山学院大がトップ、2位は女子率トップの立教大だ。明治大はGMARCH内での女子率では最下位だが、女性社長の数では3位と健闘している。
こうして見ていくと、一口にGMARCHといっても、それぞれ得意分野があるのがわかる。偏差値からは見えないこんな特徴も、自分に合った大学選びの参考にしてほしい。
※週刊朝日 2016年3月18日号より抜粋