東京都内で中高一貫校の「かえつ有明中・高校」や嘉悦大学を運営する学校法人「嘉悦学園」(江東区)が、平成24年から3年半にわたり、嘉悦克(こく)理事長とその家族に勤務実態の伴わない給与や手当など計5千万円超を不正支出していた疑いがあることが17日、文部科学省などへの取材で分かった。
文科省は支出に際して給与額などを審議、決定する理事会が正常に機能していなかった可能性もあるとみて、支出決定の経緯など実態を詳しく調べる方針。
文科省などによると、24年4月~今年9月、学園の特別顧問ながら、ほぼ勤務実態がなかった理事長の妻に約3千万円、理事長の母(死去)に約1千万円が給与として支払われていた。
また、嘉悦理事長に対しても「繁忙手当」名目などで、計1600万円ほどの不明瞭な支出があった疑いが指摘されているという。
9月中旬に関係者から情報提供を受けた文科省は、学園側に調査を指示。学園側は2度にわたって調査結果をまとめて報告したが、いずれも調査対象期間などが不十分として文科省に再調査を求められ、学園側は第三者委員会を設置して詳細を調べている。
同学園は「現在、調査中なので、全てについて回答できない」と話している。
2015.12.17 産経新聞