記事の紹介 子どもの集中力は、こうやって作り出せる!


読んでおいていてもいいかな、と思える記事でした。


 

 

小学校低学年から高学年、そして中学生へ……。周囲に私学を受験する子も増える中で、わが子の成績や先々の進路が、まったく気にならない親はいないだろう。どうすれば少しでもいい点が取れ、より上位の学校に進学できるのか。そもそも子どもにやる気を起こさせるには? 
約25年にわたり学習塾を運営し、3000人以上の子どもを指導、成績向上に導いてきた石田勝紀氏は「心・体・頭のしつけ」をすることが重要と語ります。この連載では石田先生の元に寄せられた親たちのお悩みに答えつつ、ぐんぐん伸びる子への育て方について考えていきます。

 

 

【質問】
初めてお便りします。小学1年生と4年生の男の子がおります塩沼と申します。男の子2人ということで、毎日、活発に活動して元気であることはいいことなのですが、勉強をするにあたり集中力がないようで、すぐに気が散ってしまい困っています。
「集中しなさい!」と言ってもいっさい効果がなく、どうしたらいいか教えていただけないでしょうか。ちなみに子どもたちは勉強が嫌いというのではないようですが、長続きしないのが問題のように思います。よろしくお願いします。
(仮名:塩沼さん)

 


 【石田先生の回答】
 活発な日々を送られているとのこと、とてもいいことですね。エネルギッシュな毎日で、とても充実していることでしょう。お母さんは家庭内でのお子さんの集中力に関してお悩みとのことですが、これはどこの家庭でも同じような状況ではないでしょうか。

 勉強時間になると、“即集中”する子どもなんて、普段はあまり見たことがないですよね。いたらいたで、ちょっと怖い感じすらします(笑)。ところが世の中には、特定の分野に関して驚くような集中力を持つ子もいます。私が今まで教えてきた生徒の中にもいました。

 高校2年生に清水君(仮名)という生徒がいました。たとえばこの生徒は、学力が全体的に高くありませんでしたが、歴史になると非常な集中力を発揮するのです。このような集中力ですから、当然、テストでは高得点を連発していました。

 

実は清水君は、教科書や参考書で歴史を勉強するのではありません。歴史小説や、歴史の史実が書かれた本を読んで学んでいるのです。日本史が受験科目でしたが、センター試験の日本史が、60分の制限時間ですぐに終わってしまいます。暇だから世界史もやってしまい、共に90%以上の得点をする子でした。好奇心から生まれた集中力は、尋常ではありません。清水君の場合は、自分の好きな歴史がたまたま受験科目にあり、実力が顕在化されたので幸運でした。

 また、こういう子もいました。中学2年生の斉藤君は「没頭型」の子で、特に得意な数学の時間は、私が話しかけても計算中はいっさい反応せずに取り組んでいました。机の上のペンケースが落ちかかっているのに気がつかずに、黙々と取り組むような状態です。これだけの集中力ですから計算ミスはほとんどなく、その後、彼はトップクラスの高校へ進学しました。

■ 「集中タイプ」と「拡散タイプ」では行動が違う

 しかし、誰もがこのようなタイプとはかぎりませんね。私は、人間は「集中タイプ」と「拡散タイプ」の2つに分かれているように思います。集中タイプは前述した清水君や斎藤君のような人ですが、なかなか集中モードに入れず、どうしても気が散ってしまうタイプの人も多いものです。

 生徒でいうと、一部の先天的な集中力を持つ人は別として、部活動で“頑張っている”人ほど集中タイプが多いように思います。部活動で勉強する時間が十分にとれないため、短時間で勉強をこなす必要性から集中力が高まるようです。この集中タイプは、切り替えも早く、思考の世界やイメージの世界に没頭することができます。ですから一般に勉強がよくできます。

 一方、「拡散タイプ」の人は、周囲の様子が気になって目前のことに手をつけられないようです。ですから、なかなか集中できず、学んでも身に付きにくい傾向にあるように感じます。このようなタイプに、「集中しなさい!」と言ったところで、集中できるはずもありません。タイプが違うのです。

 もちろん、ものは考えようです。周囲のことが気になってしまうということは、「よく気がつく」「気配りができる」「人の気持ちがわかる」という特性があるということです。サービス産業型の人材として、将来、活躍する可能性があると思っています。これもある種の才能ですので、拡散型が一概に悪いわけではありません。

 とはいえ、もちろん受験勉強には集中力があるに越したことはありません。お子さんが集中できない拡散タイプだったとしたら、どうやって集中できるようにさせたらよいでしょうか。さて、ここからが本題です。次の生徒とのやり取りをご覧ください。

 

私:君は家であまり勉強していないようだね。

生徒:……はい。

私:やる気が起こらないんでしょ。

生徒:学校から帰ってきて、すぐには勉強する気になりません。

私:ゲームだったらどうする?  すぐやるんじゃないの? 

生徒:そうかもしれません。

私:ゲームは面白くて勉強は面白くないから、当然、面白いほうを選ぶよね。でも、できれば勉強をしたほうがいいよね。

生徒:はい。

私:重要なことは、「勉強する雰囲気」にもっていく準備作業ができるかどうかということなんだよ。もし勉強するようになりたければ、教えるけども、知りたい? 

生徒:はい。教えてください。

私:人によって型がいろいろあるんだけど、家で勉強する前に、まず「勉強のような遊びのような作業」をやるんだ。私も子どもの頃、家でなかなか勉強する気になれなくて困っていたんだよ。そこで考えたんだ。どうすれば自分をやる気にさせられるか。それが「漢字の練習」だった。漢字は勉強の一種だけど、字の練習のようなものでもあるね。毎日、家で勉強するときに、いきなり数学や英語などをやると、やる気が出ないから、いつまでもやらない状態が続いてしまうけども、簡単にできる「漢字の練習」を最初に15分ぐらいやると、自分の気分が「OFFのモードからON(勉強)のモード」へと変わるんだよ。面白いものだね。その後は、数学でも英語でもなんでもやったらいいよ。
  これは私が偶然、中学のときに発見したことでした。その後、集中できないタイプの人が集中できるようになった場面を見ていると、作業の前にある「型」を持っていることがわかりました。つまり、気持ち(心)を切り替える「型」を持っており、それを行うことで上手に自分の気持ちをコントロールしているのです。

 社会人でも同様ではないでしょうか。いきなり出社して、仕事をバリバリやるのではなく、その前に仕事モードへと切り替える。ある「型」を行ってから徐々に本題の仕事に入っていくように思います。

 スポーツの世界でも、水泳のような競技では、いきなりフルパワーで泳ぐのではなく、準備体操をして、軽くウォーミングアップで流してから徐々に気分を高めていくのではないでしょうか。お気に入りの音楽を聞いて、気分を高める選手がいることもよく知られていますね。ですから勉強するためにも、まず自分にあった「OFFのモードからON(勉強)のモードへ切り替える『型』」を勉強前に入れると効果があるはずです。

 「型」といっても何をしたらいいかわからないときは、私が子どもの頃やっていたのと同様、「漢字の練習」をするのがお勧めです。1日10分から15分、漢字の問題集を使って練習してみましょう。漢字が書けるか書けないかという点数を目的にするのではなく、字の練習という程度の気持ちで行うのです。ウォーミングアップの効果があるのと同時に、結果として漢字も習得できてしまいますので、一石二鳥です。

 また、このモードの切り替えの「型」として、好きな科目を当ててもかまいません。むしろ好きな科目の単純作業(漢字、単純計算問題、音読など)を当てたほうが入りやすいかもしれません。しかし、注意しなければならないことは、この作業はあくまでも、OFFモードからONモードへの切り替えとしての「型」ですので、時間にして最大15分程度にすることです。そうしなければ、好きな科目をどんどんやり、その後、時間がなくなって苦手な科目は手つかず状態になってしまう可能性があります。

 集中力は、このように仕組みを作ることで、引き出すことができるようになるものです。「うちの子は集中力ない」とお悩みの親御さんは、ぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。

 

石田 勝紀

 

 

 

東洋経済オンライン 6月4日 から引用


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